『WIRED』日本版は、9月16日(木)に最新号VOL.42「NEW COMMNS コモンズと合意形成の未来」を発売いたします。コモンズとは元来、海や森といった自然の資源をメンバーが共同で管理する制度です。人類の長い歴史のなかで、コモンズは悲劇と喜劇を繰り返してきました。いま、社会の資源が物理的なモノから情報へと移行し、世界中で再びコモンズの“反撃”が始まっています。
自然のなかだけでなく、あなたのネイバーフッドにも、都会の真ん中にも、スマホのスクリーンのなかにも、世界はコモンズに溢れています。この古くて新しい人類の“共有地”を、2020年代のいま、どれだけオープンで豊かに、そして未来にまで拡張できるでしょうか? 特集「NEW COMMNS コモンズと合意形成の未来」では、天才経済学者や気鋭の法学者らとともに、 新しいコモンズの可能性に迫ります。
ケヴィン・ケリー、宇野重規、成田悠輔、高木俊輔、稲谷龍彦、宮武徹郎、ドミニク・チェン、池上英子、玉城絵美、青木竜太、スチュアート・ブランド、江守正多、北村みなみ、緒方壽人、小川絵美子、大童澄瞳、佐久間洋司、篠原雅武、鈴木綜真、武邑光裕、内田友紀、山崎 亮、安田クリスチーナ、グレン・ワイル、水野 祐、磯野真穂、戸谷洋志、西條辰義、柳澤大輔、田中元子、田 素弘、マーク・マックアンドリューズ、宮内悠介、豊田啓介、倉田哲郎、川田十夢ほかが登場。
注目の特集
■ ミラーワールドはデジタルコモンズの夢を見るか
ケヴィン・ケリーに訊くコモンズの過去・現在・未来
インターネットカルチャーの黎明期からその思想の根底にあった「コモンズ」の実践は、いまや目の前に拡がる巨大なネクストフロンティアである〈ミラーワールド〉へと受け継がれている。『WIRED』創刊エグゼクティヴエディターのケヴィン・ケリーが語るこれまでの歴史と、30年後の未来のコモンズ。
■ 天才経済学者に訊く、コモンズと合意形成にまつわる8の質問
資本主義と民主主義への提言をまとめた『ラディカル・マーケット』が話題を呼んだ経済学者グレン・ワイル。「WIRED25」にも選ばれた彼の類いまれなる見識を引き出すべく、本誌にコラボレーターとして参加した成田悠輔(経済学者)、稲谷龍彦(法学者)、水野祐(弁護士)とともに、コモンズと合意形成にまつわる8つの質問を投げかけた。
■ 仮想空間のコモンズ メタヴァースで「自分らしく」生きるために
わたしたちは間もなく仮想空間と現実世界のあわいを、自由に行き来するようになるだろう。未来の日常の一部となるメタヴァースという新たな世界で文化や経済、そしてわたしたち自身はいかに変化してゆくのか。そして、そこをいかに「共有地」とすることができるのだろうか。「オープンメタヴァース」をキーワードにひもといてゆく。
■ 「未来」というコモンズ 〈死〉と〈想像力〉が導く、将来世代への責任
いまを生きるわたしたちと100年後、1000年後を生きる人々は時間軸を共有しえない。しかし、科学技術文明において現代世代は未来世代を滅ぼすことができる。たとえその両者で合意形成できずとも、「未来」をコモンズとして遺していくことは可能ではないか ── 。人類学者・磯野真穂、哲学者・戸谷洋志というふたりの俊英が、この壮大なスケールの問いに向き合った。
■ コモンズと合意形成を巡る必読本16
コモンズや合意形成をより多角的に捉えるためには何から考えていくとよいだろう? その視座を得るべく、固定観念を塗り替える知恵とクリエイティヴなマインドをもつ著者とマンガ家4名に、「長期的思考」「地域経済」「設計」「交渉力」の観点から選書を依頼。元素から地政学まで、その独自の解釈をご覧あれ。
■ 人気コーナーと話題の連載も充実!
▶ STORY 「THE LAST COMMONS 最後の共有地」宮内悠介
▶ FETISH お仕着せのプロダクト選びから脱却せよ!
▶ METHOD NATURE-TECH LABORATORY アパレルの未来を書き換える先端素材の可能性
▶ WRD DIG IN 編集部がディグる、気になるアレコレ
▶【連載】水野祐が考える新しい社会契約〔あるいはそれに代わる何か〕 第7回 データコモンズの行方
▶【連載】すすめ!! VIRTUAL CITIES INC.(仮)豊田啓介×倉田哲郎 第5回 公共の「グラデーション」
▶【連載】Way Passed Future 川田十夢の「とっくの未来」 第19回 宿命と加齢臭
▶ EDITOR’S LETTER 「二度目はコモンズの喜劇として」
PDF File
WIRED_vol42